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 起きると良い晴れの日だった。昨日の雨で疲れていたものの、少々単車に乗りたくなりながら、市街地を目指して歩いた。すすきのまでは歩いて30分ほどだった。

 旅の間に聞いた美味しいスープカレー屋や、有名なラーメン店なんかを横目にしばらく街を歩いた。途中明日明後日着るための服を1セット古着屋で安く買って、裏路地にあるスープカレー屋に入った。怪しげな建物の中にあるスープカレー屋だったが、聞いていた通り人気らしく、常に人が出入りしていた。おすすめで、あまりメニューに出ないというラムスープカレーを注文した。ジンギスカンは先日食べたが、煮込まれたラム肉の塊は柔らかくてまた違った美味さだった。ほどよく味付けされたご飯と、上に乗った半熟の目玉焼きと共に食べたそれは絶品だった。食後にこれまた美味いラッシーを飲み、また札幌観光に出かけた。

 旅の間じゅうガッカリ観光スポットとして聞いていた時計台はビルの間にポツンと立ったいた。中に入るか少々迷ったが、せっかく来たのだからと入ってみた。中は資料館のようになっていて、置いてあった本や資料、歴史のパネルに満足して、一階の図書館で北海道地名にまつわるアイヌ語、という本を読んでいるとかなり時間が過ぎてしまった。

 ひとしきり観光し終わって宿に戻ると、客が増えていた。もう北海道も10回目だという大先輩に、20年ぶりにツーリングに来た中年男性、同い年のライダーがいた。僕はこのあとまた一階の居酒屋に行くつもりだったが、同い年のライダーとバスですすきのに出かけることにして、いい飲み屋を探しながら夜の繁華街を歩いた。彼はスーパーカブで埼玉から青森まで陸路を使い、北海道の西半分を回って今日稚内から戻ってきたようだ。あとで彼の愛車を見せてもらったが、日本一周と書いてあるわりに軽装備なので業者と間違えるくらいだった。聞けば、日本一周は小分けでしているらしい。そう考えると、僕も東北地方を除けば小分けで日本一周している気がした。来年からは営業マンだという彼と安い居酒屋を探して飲み、いい具合に酔ったころ、歩いて宿に帰った。

 大先輩は23時にすすきのでソープを予約しているらしく、そそくさと出かけて行った。

僕は今日1日久しぶりに歩いたのでもう疲れて、日を跨ぐ前に眠った。